御室川の明正寺桜

京あれこれ

ソメイヨシノ

お彼岸に入り散歩にピッタリの気候になってきたので、ご近所の御室川沿いを歩くことに。自宅近くのソメイヨシノは、やっと蕾がふくらみ始め、花はまだちらほら。ところが新丸太町通に近い神田橋辺りまで来ると … 思いがけず満開の桜が迎えてくれた!

明正寺桜の説明書き

3月半ばに満開を迎える桜は初めてで、とても興味深く眺めていると、木の近くのフェンスに説明書が付けられていた。その名は「明正寺 (みょうしょうじ) 桜  (別名:涅槃桜)」

「市内で最初 (3月中旬) に咲く桜です」とも。早速調べてみると愛媛県新居浜市黒島の明正寺に原木のある桜とのこと。

明正寺桜

【明正寺(みょうしょうじ)桜】
 1965 (昭和40) 年3月20日、当時愛媛県文化財保護委員であった八木繁一氏が、愛媛県新居浜市黒島の明正寺 (真言宗善通寺派) で発見し、品種名を「ミョウジョウジ」と命名。学名は " Cerasus ‘Myōshōji’ “。
 寒桜とシナミザクラ (支那実桜またはカラミザクラ 唐実桜 ) の雑種と推定され、5弁一重咲きで、淡紅色または白色の花が3月中旬頃に開花する。
 明正寺では、開花が葉の芽立ちより早く、釈迦入滅の3月15日頃に咲くことから「ねはんザクラ」と呼んでいた。樹勢も盛んで気根を出し、株や根の途中から芽をたくさん出すので、住職の方が苗木を取って市内・外の神社・寺院に広めた。

淡いピンクの可愛い花も素敵だが、その馥郁たる香りは初めての体験。清楚で気品のある仄かな香り … “桜にもこんな香りがあったんだ" と驚き。桜の近くにはレンギョウ (連翹) やユキヤナギ (雪柳) も咲いてきれい。きっとご近所の方達が丁寧に手入れされているのだろう。

  春らしい景色を “あ・り・が・と・う"!

 彼岸会と 知って咲くのか桜花 漂う香り 我が足止める   (畦の花)

<参考資料>
  ・ 明正寺 公式ホームページ       ・ 『桜図鑑』  公益財団法人 日本花の会