’25 桜めぐり “咲き出”

3月下旬。今年は2月から3月にかけて寒い日が多く、梅の開花も遅かった。「桜はまだかな?」と思いつつ、暖かい日を選んで御室川沿いを散歩。
「桜のトンネル」で知られる嵐電沿線のソメイヨシノは、まだまだ固い蕾。でもお目当ては、神田橋近くの住宅街で一際早く咲く「明正寺桜」。別名「涅槃桜」とも呼ばれるのは、釈迦入滅の3月15日頃から咲き始めるから。

フッと風が吹くと … ああ、ほのかに漂ってくる優しく甘い香り!もう満開に近いほどに咲いている「明正寺桜」。川岸を覆い尽くすかのような桜模様、きれい。昨年は何故か (SNSのせい?) インバウンドが多勢いて、気後れしたが、今年はいつものようにご近所の方々が静かにお散歩。ゆっくりと午後のひとときを過ごさせてもらった。


満開の「明正寺桜」を見た数日後。所用で出かけた帰り道、「東映太秦映画村」前の街路樹「陽光桜」が、鮮やかな紅桃色の花をたわわに咲かせていた。青い空に向かって精一杯光を受けて咲く姿は、とても華やかで明るく、何とは無しに心が浮き立つような感じ。しかし、この「陽光桜」が生まれる陰には、悲しく切ない出来事があったとは…。「早く戦争の無い世界にな〜れ!」そんなことを思いながら春の幸せをいただいた。
<「西寿寺」の桜たち>
4月もそこまでという暖かな午後。久しぶりに泉谷の「西寿寺」に参拝。
山門に向かう坂を下り始めると、駐車場東側の “桜苑" の冬桜がきれいに咲きそろっている。淡いピンクの桜の絨毯に混じって、ポツンポツンと桃色の桜があるのも良い。山門を入ると迎えてくれるのは、左手の見上げるような枝垂桜。


いつものように本堂に参拝を済ませてから、さらに高台の墓苑に立ち寄ってみる。薬師如来像前の見晴台からの眺めは、いつ見ても心が晴れ晴れとする。眼下には双ヶ丘、左手遠方にはよく見れば京都タワー。う〜ん、良い眺め!!墓地には桜や花桃が植えられ、一部にはパンジーなどの色とりどりの花がきれいに咲いている。まるで “お花畑" のようで、従来の墓地とは程遠い場所だ。すぐ近くの森からは “ホーケキョ、ケキョ〜♪" と鶯の鳴き声が聞こえ、ふと目を移すと、一本だけ鮮やかな濃い桃色の桜が満開とばかりに咲き誇っていている。一重の花なのに、何とも艶やか。緑の葉も出て… 早咲きの河津桜かな?


ソメイヨシノの開花はまだだけれど、個性的な早咲き桜に春を感じながらの帰り道。電線にじっと止まるツバメ発見!気づけばもうそんな頃か…。そうそう、ご近所のボケの花もとてもきれいに咲いている。「サクラだけが花じゃないよ!」って!?