コスモス咲き乱れる”藤原宮跡”
10月下旬。奈良の 「藤原宮跡」 に初めて訪れた。大好きなコスモスが一面に咲く写真に惹かれて…。
今回は 「おふさ観音」 に参拝してから、徒歩で 「藤原宮跡」 に移動。「おふさ観音」山門前の道を東進し、縄手町の交差点を過ぎると、まもなくこんもりとした 「大極殿跡」 の森が右手に見えてくる。交差点には「秋ゾーン →」の目印。ピンクや白のコスモスが咲き乱れる景色が目に飛び込んできた!
<藤原宮跡 (橿原市)>
特別史跡 「藤原宮跡」 は、約1300年前に持統・文武・元明の三代の天皇が治めた藤原京 (694-710年) にあった宮の跡。東を天香具山 (あまのかぐやま)、西は畝傍山 (うねびやま)、そして北を耳成山 (みみなしやま) の「大和三山」に囲まれた場所に位置する。
昭和27 (1952) 年、国の特別史跡に指定される。現在、藤原宮跡が構成資産のひとつである「飛鳥・藤原の宮都」は、人類史上でも価値の高い文化遺産として、2026年の世界文化遺産登録を目指している。
<藤原宮跡花園>
広大な緑の原野に朱塗りの列柱が数ヶ所再現されているだけの 「藤原宮跡」 の認知度を上げるため、橿原市は平成18年度 (2006年) より地元住民の有志で組織された「藤原宮跡整備協力委員会」の協力を得て、季節の花を植栽することになった。
[春ゾーン]
醍醐池北側にある約14,000㎡の「春ゾーン」には、約140万本の菜の花が植栽される。3月下旬から4月上旬にかけては、醍醐池周りの桜と菜の花のコントラストが絶景。
[蓮 (夏) ゾーン]
大極殿跡の南東には約3,000㎡の蓮ゾーン。唐招提寺蓮・大賀蓮など11種類の蓮を植栽。見頃は7月中旬から8月上旬。
[秋ゾーン]
大極殿跡南側一面にあるのは、約24,000㎡の秋ゾーン。10月上旬から下旬にかけて、約240万本のコスモスが咲き誇る。珍しい形をした花びらの品種も植栽されている。

11月も近く “コスモスはまだ咲いているかな?” という私の心配をよそに、白、ピンク、濃桃色など様々なコスモスが広い花畑一面に咲き乱れ、風に揺れている。よく見れば花にも微妙な違いがあり、"コスモスってこんなに色々な種類があるんだ!" と驚き。また中央付近にはススキが群生しており、陽光に光り輝くススキの穂とピンクのコスモスの取り合わせも秋らしい。そしてその近くでは、ノゲイトウ (セロシア) がロウソクのようにツンツンと咲いている。ドライフラワーみたいだけど、可愛い。花畑を歩いていると、バッタがピョンピョン飛び跳ねているのに出会い、豊かな自然がここにはあるって感じた。
風立ちて コスモス揺れる 宮の跡 いにしへおぼほゆ 天の香具山 (畦の花)




帰り際、大極殿跡近くで発掘調査をしているようなので、ちょっぴり見学。奈良文化財研究所が、9月30日から大極殿院の西側回廊の調査のために発掘中とのこと。世界文化遺産登録に向けてどんな成果があるのか楽しみ。
<参考資料> 橿原市 藤原宮跡 (観光情報)