幸神社(さいのかみのやしろ) (上京区寺町通今出川上る西入幸神町)

京都・寺社

 京都御苑の東北角、今出川通から北に伸びる細い梨木通を少し北上。静かな住宅街を歩いて行くと、突き当たりに石造の鳥居が見える。扁額には「幸神社」の文字。鳥居の右横には「皇城鬼門除 出雲路幸神社」の社号標が立つ。

(主祭神) 猿田彦大神 (さるたひこのおおかみ)
(相殿神) 天之御中主神 (あめのみなかぬしのかみ)・天照大神・瓊瓊杵尊 (ににぎのみこと)
    少彦名神 (すくなひこなのかみ)・可美葦牙彦舅尊 (うましあしかびひこぢのみこと)
    大国主命・事代主命・天鈿女命 (あめのうずめのみこと)

【社 伝】

拝殿・本殿

 祭祀は古く、天武天皇の白鳳元年 (661)に再興され、桓武天皇により平安京創建時に都の東北の鬼門除け守護神として造営される。
 平安京造営時には、愛宕 (おたぎ) 郡下出雲郷 (賀茂川の西岸、同志社大学や相国寺周辺を含む地域)にあり、社名も「出雲路道祖神 (いずもじさいのかみ)」であった。
 江戸時代初期、現在地に遷座し、社名は「幸神社 (さいのかみのやしろ)」と改められた。

【御神徳】
 旅行安全・方位除け … 猿田彦大神のご利益は「みちひらき (物事を良い方向へ導く)」が有名で、道案内役の神として知られる。
 縁結び … 猿田彦大神とその配偶神 天鈿女命は、共に天孫降臨の道を開いたことから、縁結びや家庭円満のご利益が授けられる。
 芸能上達 … 天鈿女命は、「天岩戸伝説」で踊りを披露し、芸能の始祖として崇拝される。また、出雲の阿国が当社の稚児巫女として仕えたという故実もあるという。

猿の神像
猿の神像

【境 内】
<本殿と “猿の神像">
 さほど広くはない境内地で、鳥居をくぐるとすぐに拝殿があり、その奥に本殿。本殿東側の壁に、御幣を担ぎ北東方角を向く “猿の神像 (三番叟猿) “ が祀られている。御所内裏の東北角にある「猿が辻」の猿の神像と共に、皇都の表鬼門を守護しているという。
 当社では日吉山王社の神使としており、江戸時代前期の左甚五郎作とも言われている。

<石神さん>

石神さん

 境内の東北隅に神明鳥居があり、その奥に「石神さん」とされる神石が祀られている。地元では親しみを込めて「おせきさん」とも呼ばれているようだ。平安時代より祀られるご神体で、「出雲路道祖神」時代の道祖神石かもしれない。
 男根形に近い陽石で、社殿が幾たびも火災に遭ったにもかかわらず無事に残っていることから、縁結びや厄除けの神として信仰されている。
 また、「石神さん」の隣には「疫社」の小さな祠。素戔嗚尊 (すさのおのみこと) を始めとして大己貴尊 (おおなむちのみこと)・寄稲田姫命 (くしなだひめのみこと) 等の五柱の神々が祀られる。

<末 社>

末社

 境内の東には末社の祠がズラリと並ぶ (南より奥に向かって)。
「三天社」  祭神:天照皇太神・建甕槌命・大国主命
「稲荷社」  祭神:天穂日命(あめほひのみこと)・大気津姫命(おきつひめのみこと)・三穂津姫命(みほつひめのみこと)
「竃神社」 「天満宮」 「淡嶋社」 「春日社」  (四社一宇)
「厳島社」  祭神:市寸島比賣命(いちきしまひめのみこと) ← 水の神, 芸能の守護神
「稲荷神社」 は、五社大明神、初寄大明神(はつくしだいみょうじん)、岡元大明神、幸上大明神(さいかみだいみょうじん)、山田大明神を祀る
「金毘羅社」  祭神:素戔嗚尊、天御中主尊、大己貴尊、金山彦命、猿田彦大神 ← 産業や海上の守護

<参考資料>
 ・ 幸神社 駒札       ・ 「上京区の史蹟百選/幸神社」 京都市上京区 website 
 ・ 「幸神社 (京都市)」  京都風光 website