“早春の草花展”(京都府立植物園)
京都府立植物園では、2月6日〜3月8日の期間に “早春の草花展" と題して早春の草花の展示会が開催されていた。会場は大芝生地の特設会場。
”森のカフェ” すぐ近くに設営されたアーチ型の温室のような特設会場の前では、大きなパンジーツリーがお出迎え。入口前には、梅や菜の花が飾られて「早く入っていらっしゃい!」って誘われているよう。
今年のテーマは 「花のオーケストラ ―植物が織りなす交響曲第102番―」 とのこと。開園102年目を迎える植物園らしい。…では、入ってみましょう!!
《 Prologue 》
会場に一歩足を踏み入れれば、そこはもう春爛漫。赤・白・黄色にピンクなど色とりどりの花たちが咲き誇り、やわらかくほのかな香りが漂っている。壁面にはヨーロッパの街のようにウィンドウボックスが飾られ、ピンクのゼラニウムが愛らしい。アネモネやストックは、小さな花が多い中で存在感を見せている。
《 Singing songs 》

春の花と言えば、やはり ♪ さいた〜 さいた ♫ のあの花、チューリップ! チューリップにこんなに多くの種類があるとは…新鮮な驚き。オーソドックスな一重咲きから八重咲き、フリンジ咲きなど色も様々でとても鮮やか。さりげなくそれを引き立てているかのようなストックやマーガレットたちは、名脇役かな?
う〜ん!花たちの可愛く賑やかな歌声が聞こえてくる!!
《 Miss Rumphius 》
ずっとずうっと前に出会った絵本 『ルピナスさん』
。アメリカの絵本作家バーバラ・クーニー (Barbara Cooney) の描く世界に惹かれ、その頃は馴染みのなかった “ルピナス" という花を見てみたいと思ったもの。その物語は、こんな内容。
「主人公の女性 “ルピナスさん" は、子どもの頃におじいさんと「世の中を美しくすること」を約束。大人になった彼女は、その約束を果たすべく様々な場所を旅するが、その中途で思いもかけず療養生活を余儀なくされてしまう。しかし失意の彼女を元気づけてくれたのが、大好きなルピナスの花。やがて彼女は再び目的に向かって次の一歩を踏み出す。」
花のルピナスは、蝶々を思わせるような小さな花が咲き上がる、どちらかと言えば控え目なイメージの花。その雰囲気が絵本の主人公 “ルピナスさん" と重なって感慨深く観てしまった。因みに、ルピナスの咲く様子がフジを逆さまにした様子に似ることから「ノボリフジ (昇り藤)」とも呼ばれるようだ。
《 Harmony of Flowers 》
酒類や飲料水などで知られるあの ”サントリー” が、花や野菜苗の別会社 “サントリーフラワーズ"
を設立していたことをこのイベントで初めて知った。もう四半世紀近くになるらしい。展示されていたのは、どれも小花だがとても愛らしい花たち。



サクラソウ科プリムラ属の ウインティー (Winty) は、濃い桃色のサクラソウのイメージとは違い、どれもパステルカラー。ライムグリーンや桜を思わせる薄いピンク、青紫がかった色などがあるが、どれもグラデーションがあるのが面白い。キク科の セネッティ (Senetti) や ボンザマーガレット (Bnza Margaret) は、鮮やかな色が印象的。どれも花色の少ない時期に咲いてくれるようで、今や園芸家の人達には人気の種類とか。
《 King of Flowers 》

いよいよ「花の王様」のお出まし!そう、美しく魅力的な女性を表す例え「立てば芍薬、座れば牡丹、歩く姿は百合の花」のひとつ “牡丹" が艶やかな姿でお待ちかね。牡丹にも色々な種類があるようで、甲乙つけ難い美しさ。

まずは松本農園 (島根県松江市) の「門名シリーズ」から二つ。「門名シリーズ」とは、昭和天皇即位を記念して皇室と関係のある京都御所の門名をつけた25品種のことという。「紫天門 してんもん」 は、光の加減によって紫から濃桃色に見える艶のある牡丹。そして 「宜秋門 ぎしゅうもん」 は、紅色でとてもゴージャスな牡丹 (「宣秋門 せんしゅうもん」と誤って表示されている場合もあるらしい)。どちらも御所に相応しい豪華さと品格のある花。

また、同じ松本農園の 「御国の曙 みくにのあけぼの」 は、上記二つとは対照的に、清楚な白色が目を惹く。奈良県の石光寺 (染寺) に昭和中期以前よりあるという丸弁の白い「御国の旗」から切弁に枝変わりしたものが元という。切弁の花びらが白い羽のようで個性的。

そしてふんわりと柔らかな雰囲気のピンクの牡丹は、中村農園 (島根県松江市) の新品種 「明日香」 。千重大輪の抱え咲き。中心部が濃い桃色でピンクのグラデーションがとてもきれい。
会場中央の大きな舟型容器には、色とりどりの牡丹が飾られており、早春のこの時期に思いがけない出会いだった。
《 Finale 》

最後はゼラニウムやビオラ、マーガレットなどがまさに所狭しと咲いた「お花畑」。こちらは、府立植物園のオフィシャルパートナーである「タネのタキイ」さんのコーナーかな?ムーンライトルイーズというピンクの可愛いゼラニウムが、目を惹く。そして再び菜の花の登場。記念撮影スポットにもなっていて、折しも訪れていた近くの保育園の園児たちが楽しそうに写真におさまって “ニッコリ”!。
一足早い春を満喫!次はいつ来ようかな〜?
<参考資料>
・ 松本農園・中村農園 website
・ サントリーフラワーズホームページ


