『明恵 夢を生きる』

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日本人として初めてユング派分析家の資格を取得し、夢分析の第一人者として活躍した河合氏が、鎌倉時代の僧・明恵(みょうえ)上人が残した『夢記』を分析。
丹念に明恵の生い立ちを調べ、彼が生きたその時代背景を手掛かりとして、透徹した眼差しで明恵の心の奥深くまで入り、分析していくその過程を読んでいくと、まるで二人の対話を傍らで聞いているようにすら感じる時がある。明恵上人も凄いが、河合氏もスゴイ!
学生の頃、「鳥獣人物戯画」を見たくて高山寺まで行ったことはあるが、残念ながらその当時は明恵上人についてはあまり知らなかった。改めてもう少し知ってみたいと思う。

* 『明恵 夢を生きる』 河合隼雄著 講談社, 1995.10 (講談社+α文庫) (1987年に京都松柏社より刊行されたものを文庫化したもの)