高山寺 (右京区西院高山寺町)

京都・寺社

西院 高山寺 本堂日照山高山寺(こうさんじ)は、嵐電・阪急西院駅すぐの浄土宗の寺院。門の前には「淳和院跡」の石碑が建つ。本尊は、足利尊氏が近江・堅田から移したと伝わる由緒ある地蔵尊とのこと。室町時代には「京都の六地蔵」のひとつで、安産・子授けのご利益がある子安地蔵尊として信仰されたらしい。
門をくぐると本堂前には「賽の河原地蔵」と呼ばれる石仏群。寺伝によれば、高山寺はかつては「高西寺(こうさいじ)」という名で、四条御前辺りの高台の上にあったらしい。豊臣秀吉の御土居建造の際に現在地に移転。石仏群は御土居を崩した時に出てきたもののようで、その中に立つ一際大きな地蔵尊は、供養のために明治期に金戒光明寺から移設されたとのこと。

金戒光明寺から移された地蔵尊「賽の河原地蔵」では、なぜ「賽の河原」?平安時代、西院付近の佐井通(春日通)は、南北に流れる「佐比川(さいがわ)」に沿っていたので「佐比大路」と呼ばれた。平安中期には「佐比川」が子どもの葬送の地であったことや、早世した子ども達があの世で石の塔を積む『賽の河原地蔵和讃』の「賽(さい)」と「西院(さい)」が同じ発音であることなどから、この辺りを「さいの河原」と呼ぶようになったという説もあるらしい。

本堂正面の額には 「くろだにを はやたちいでて こうさんじ さいのかはらを みまもるみほとけ」 の御詠歌。