『言語と社会』
しばらく本棚で寝ていたトラッドギルの『言語と社会』を読んでみた。
なぜ世界には無数の言語があるのか?言語はどのように発生し、また分化・派生していったのか?言語への興味は尽きない。
イギリスはノリッジ生まれの著者Peter Trudgillが、自身のフィールド調査を元に、言語と社会、社会階層、さらには民族との関係について考察をした著書。言語学を隣接諸科学との関連性で研究することは、現在では当然のことと受け取られているが、この著書が発行された当時(1974)は、社会言語学はやっとその緒に就いた頃だったようだ。
以下の章は、特に興味深かった。
第6章「言語と国家」:多言語国家における国家の言語政策の例
第7章「言語と地理」:ヨーロッパの元植民地における英語やフランス語のピジン語化さらにはクリオールへの発展の考察
原著の参考文献が割愛されてしまったことは残念。
*『言語と社会』P. トラッドギル著 ; 土田滋訳 岩波書店, 1975 (岩波新書 (青版)950)