清凉寺 八日会法要

京都・寺社

 「三国伝来の生身のお釈迦さま」として有名な「嵯峨釈迦堂」清凉寺のご本尊が、毎月8日の「釈尊ご聖日」に開扉されるということで参拝に行ってみた。
 観光客が戻ってきた嵐山周辺は、観光シーズンでもないのに多くの若者達や外国人旅行客で清凉寺 仁王門混雑しているが、丸太町通を過ぎた辺りから歩く人の数も少なくなる。

 仁王門を入ってまっすぐ本堂に向かう。午前11時からの法要がちょうど始まったばかり。内陣には「八日会」という信徒の方達が並び、本堂内には厳かにご住職の読経が流れる。国宝の釈迦如来立像が安置されている厨子には、釈迦如来の梵字が大きく刺繍された美しい帳がありお像はまだ見えない。

 一般の拝観者も外陣で法要の様子を拝見できる。受付の方が親切にも「厨子正面に居ればお像がよく見えますよ」と教えてくださったので、厨子の真正面に座す。太鼓の音が堂内に鳴り響き、読経の声も一際大きくなったかと思ったところで帳が開き、釈迦如来像がお姿を現す。その後信徒の方達のご焼香が始まったが、思いがけず一般参拝者もご焼香をさせていただけた。

阿弥陀堂前の梅 法要の後には僧侶の方の法話が続き、正午を少しばかり過ぎた頃に法会は終了。いつもとは違う空間でゆっくりと釈迦如来像を拝観でき、とても清々しい気持ちになった。

 本堂を出て少しばかり境内を散歩してみると、阿弥陀堂や多宝塔の前の梅の花が開き始めていた。清凉寺は寺紋「加賀梅鉢紋」に因んでか、梅のきれいなお寺でもある。今年は久しぶりに「お松明式」が行われるということなので、その頃にはきっと梅も盛りだろう。

  釈迦如来 いくとせ春を へだてても 愚かな世界 あまねく照らす (畦の花)