大覚寺・大沢池 (右京区嵯峨大沢町)

京都・寺社

旧嵯峨御所・大覚寺の東側にある大沢池周辺を散策。嵯峨天皇が唐の洞庭湖を模して造った人工の池だが、周囲約1㎞というだけあってさすがに広い。
入口すぐの右手には、裏千家設計になる茶室「望雲亭」がひっそりと建つ。3月半ばにしては暖かく、池の辺りで写生をする人達の姿もチラホラ。観光客も少なく、池中の天神島・菊ヶ島では鵜がのんびりと羽を休めている。

梅林の梅はちょうど見頃で、早い春を優しく謳っているように愛らしい。背景に見える心経宝塔の朱の色が、淡い梅色のアクセントとなって、いつまでも見ていたい気分になる。護摩堂近くの石仏も、陽だまりの中で何やらおしゃべりしているような…。 

庭園の北奥には、百人一首にもある大納言公任(藤原公任)の和歌 「滝の音は 絶えて久しく なりぬれど 名こそ流れて なほ聞こえけれ」 に詠まれている滝「名古曽の滝」跡が復元されている。