夏越(なごし)の祓

京あれこれ

福王子神社の茅の輪今日は6月30日。氏神様の福王子神社に「夏越(なごし)の祓」に参詣。舞殿前に設えられた「茅の輪(ちのわ)」をちょっぴり神妙な気持ちで、立札に書かれたお作法通りにくぐる。
神社本庁の説明では、くぐる時には「水無月の夏越の祓する人は千歳の命のぶというなり」と唱えるとある。これは『拾遺集』に詠み人知らずとして収められている歌。だが神社によっては、このあと「思ふことみなつきねとて麻の葉をきりにきりても祓へつるかな」と続き、最後に「蘇民将来 蘇民将来」と唱えるところもある。因みに「思ふこと…」の歌は『後拾遺和歌集』に収められている和泉式部のもので、「蘇民将来」は『備後風土記』にある素盞嗚(スサノオノミコト)と蘇民将来に関わる説話が由来。多くの神社では素盞嗚が祀られているからかもしれない。
京都に引っ越すまでは「夏越の祓」の行事すら知らなかったが、あちこちの神社や寺院を訪ねていろいろと調べてみると、日本という国の成り立ちや文化の奥深さを少しずつ理解できるようで楽しい。

ところで、京都では「夏越の祓」に欠かせない和菓子がある。その名も「水無月」。和菓子「水無月」白い外郎生地に小豆をのせた三角形の和菓子。白い色を氷室の氷に見立て、その上に悪魔払いの意味がある小豆をのせたお菓子を食することで、暑い夏を乗り切ろうという庶民の知恵から生まれた慣わしだろうか?

私も無病息災を願って … パクリ!