カキツバタ, まだまだツツジも…仁和寺へ

京都・寺社

ぐずついた天気もひと段落し、久しぶりに青空が広がった午後、観光客の波も去った仁和寺まで散歩。大窪寺
まずは「御室八十八ヶ所」の結願寺「大窪寺」まで。

木暗い入り口付近を抜けて池の南側に向かうと…紫色の燕子花がキショウブとともに池の端を彩っている。その傍らでは2羽の鴨がじっとして…羽根を休めているのかな?

周りのモミジの葉も、陽射しを浴びて柔らかな緑がきれい。

池の中島にある弁財天にお参りし、池端に建つ小さな朱い鳥居を眺めると「長龍眷属供養碑」とあった。神仏習合のなごりはまだまだ健在?「大窪寺」の西側斜面には、まだピンクの躑躅が咲いていて、草叢には赤いヘビイチゴ。

野趣溢れるこの空間にいると心が和む。今回は「子安延命地蔵大菩薩」にも参拝して、本山仁和寺に向かう。子安延命地蔵大菩薩

 

「御室花まつり」期間が過ぎた仁和寺は、観光客も少なく再び「ご近所のお寺さん」に戻った。久しぶりに境内を散歩していると、木々の変化に驚かされる。すっかり青モミジになった楓は、赤みを帯びたブーメランのような形の実をまるで花のように付け、春を楽しませてくれた桜の木には、赤い可愛らしい実が生っている。

これまで殆ど目にすることもなかった景色に、改めて自然の営みの素晴らしさに感じ入る。

桜の実 モミジの実雨が続いた後でみずみずしい若緑色の苔を眺めながら歩いていると、五重の塔近くで散り際の美しい御室ツツジに出会った。仁和寺は御室桜とともに躑躅でも知られている。「御室ツツジ」と呼ばれる躑躅は、「コバノミツバツツジ」という種類で、一般的な「ミツバツツジ」よりも葉が小ぶりなのでこの名が付いたようだ。紫がかった桃色の花が木を覆うようにびっしりと咲き、散った花は苔のじゅうたんを彩っている。まるで去り行く春を惜しむように…。

御室ツツジ ヘビイチゴ