嵐山で “観蓮散歩”

京あれこれ

7月に入り蓮の花が咲く頃になったので、小倉池の蓮を見に嵐山に出かけた。

天龍寺 放生池

 観光客がまだ押し寄せない午前中 (8時少し過ぎ) に嵐山へ。まずは天龍寺の放生池まで。放生池は、勅使門と法堂の間にあり、中央にある石橋で南北に分かれている。日当たり具合によるのか、北側の蓮はまだチラホラ咲いている程度だが、南側は見事にいくつも開花して見事。蓮の種類もいろいろあるようで、まだまだこれから楽しめそう。天龍寺の参拝は8時30分からなので、観光客も少なくゆったりできた。

三秀院の蓮


 次に向かうのは小倉池。… が、天龍寺塔頭「三秀院」の「東向大黒天」と刻まれた石碑に心惹かれてちょっと寄り道。庫裏の前に一鉢の蓮。今まさに咲き誇る花の隣にはこれから咲こうとする蕾、そして花が散った後に残る花托。たった一鉢の蓮の内に人間の一生そして無常を感じた。

 小倉池に行く途中の竹林の小径は、混雑もなくまだ静か。小倉山の麓にある小さな「小倉池」の水面は、ほぼ蓮に覆い尽くされている。ピンクの花が多いが、白い花もチラホラと見られる。見頃はもう少し先だろうか。池ではサギが羽を休め、アメンボがスイスイと水面を行く。よく見れば蓮の葉陰に大きな牛蛙が!

小倉池の南側から北を眺めて
半夏生


 

 

 

 

 池の南側には半夏生が群生しており、まさか小倉池で半夏生を見ることができるとはとちょっと驚き。半夏生と蓮の花に覆われた池の北に視線を移すと、遠くに高雄方面の山がよく見える。

 帰り路、小倉池東側の邸宅のお庭に咲く紫陽花やオレンジ色の菊に似た花 (アラゲハンゴンソウ(キヌガサギク)) を眺めながら散歩。夏鶯がとてもきれいな声で高らかに歌い飛び、本当に自然の豊かな所だ。